お引越ししてきました

さて、昨日は3/3雛祭りでしたね。

一応、雛祭りでお雛様を出すという事を遅れてでもやっている実家です。

ただ、どうも我が家のお雛様達には色々とあるようで今年もその日がやってきたようです。

私は7人兄弟なのでうち4人が女の子。

ただ、我家の事情とお雛様にも色々ありまして──

母のは不明。
なんでだったかな？段飾りだったとは聞いていたのですが、それ以外は聞いた気がしたものの覚えていないですね(--;)

私は初孫故に新品の立雛で相当大きく、取り出しに一苦労します。

二人がかりじゃないと出せないガラスケース。
ちょっとお顔が丸い感じですが、今の私と言うよりは幼少期の私を思い出させてくれます。

次女は祖母が二人目も女だった事から必要ないと言って、父の妹(私から見たら叔母)のおさがりを貰いました。

でもこの叔母はとても仲が悪く絶縁状態で、その叔母の雛人形は左頬に傷があるので私の母は嫌がったのですが、父も祖母も買うと高いし、悪いものじゃないからと言い、それ以来は次女のものでした……。
それに傷にはならなかったものの、叔母は高校生の時に原付で事故って大怪我しました。

未来を予知していた様です。

ですがこの次女の立雛様は、私の物よりもう一回り大きいもので、雛人形と五月人形とまとめて置かれていたのに、なぜか初マイホームを手放す際にこれだけが消えてしまったのです。
以来、どうなってしまったのかも不明──。

そして三女は、母が祖母との同居を「今はまだ」という言葉を、被害妄想が元から酷かった人なので「一生嫌だ」と捉え、貯めていた数百万を散財した時期がありまして、その際に生まれた三女は新品を購入してもらっていました。

座り雛で平成のお雛様らしくて艶やかな彩色と金屏風、ぼんぼりと梅の花が付いて、台座付のものでした。とても羨ましかったのを覚えています。

四女は貧しい我が家では買う事も叶わず、20歳も離れているので私や妹達のを譲ろうかと考えていました。
ですが……クソオヤジは、駅前でやっていたフリーマーケットのまったく知らない人が持ってきていたお雛様を妹のとして持って帰ってきたのです。声高らかに誇らしげに。

家族全員その時は無言だったものの、ゴミ収集癖の酷い父にうんざりと愚痴をこぼす羽目に。

お雛様の意味を解っているのでしょうか？
次女の時だって叔母さんと同じ道を歩ませたくないって意味で嫌だったのに、今度はまったく見ず知らずの人の物を与えるなんて考えられません。

お雛様に第二の人生をって、妹に第二の人生ですか？とブチ切れもしたかったですけど、誰もがあとにしました。

四女も当時小1でしたが、新品じゃない事もあり「ふーん……」と。
あれ以来お雛様を出すと自分のはないとトーンダウンしているので、妹も不服の様です。

非常識だと思うのは私らだけでしょうか？

まぁそんなこんなでまともなお雛様を持っているのは私と三女だけ。
まともじゃないって言ったらお雛様たちに怒られてしまうのでアレなんですけど、理解しているとはいえ、毎年憂鬱な日ともいえます。

今実家にいるのは三女と四女だけなので、実質私のお雛様はほとんど役目を終えた状態です。それでも、絶対に出さないとならないんです。

両親は早めに出せばいいものの、やはり昨日出していました。

ここからが本題……

実は、私が小学校5年生の年の事でした。

この頃は家庭内崩壊状態になっており、家の中は荒れ放題、両親の喧嘩が絶えず、同時に父は家にあまりいない生活だったので凄い状態でした。

両親が忙しすぎて気が付いたらお雛様も過ぎてしまい、そのまま終わるはずでした……。

それからすぐに弟の誕生日が10日に控えていたので、その手前か後の休みがパーティーの日と我が家では決まっていました。

父も珍しく日曜日がお休みになり、その日はお誕生日ディナーだ！と他の兄弟も楽しみにしていたのですが、その当日の朝、父は珍しく早く起きたのです。

日曜と言えば、7：30から戦隊ものを見て、ビーファイターとかママレートボーイ、んでもって8chで鬼太郎とか見る黄金ライン(笑)

でも、父はもう少し遅くまで寝ているはずなのに起きてきて

そう言いながら洗面台に向かい、汗ぐっしょりの体を拭いていました。

解らない人には解らない、信じない人は信じないでしょう。
しかし、我が家は父方の祖母家系が強い様で、祖母と父、そして私と四女は強い方なんです。
父はしょっちゅうで、何度も(笑)

まぁそんなワケで就寝中、父は叩かれて＋引っ張られてで目が覚め、弟達が起こしにきたものだと思っていたようです。

ですが、真っ暗闇でおかしいなと思っていたら、よく見ると腹の上に私のお雛様とお内裏様がいらっしゃったようです。

その瞬間、体が金縛りに合い、まったく動けなくなると、両手両足を次女と三女のお雛様が掴み、父の体は浮いちゃったそうです。

ベッドやその脇で眠る私や母の上を通り過ぎ、そしてお雛様に連れて行かれたのが、寝室の隣にあるリビング側の押し入れ。

そこはお雛様をしまっておいた場所でした。
暗い押入れの中に連れていかれ、早く出しなさいと直談判してきたお雛様たち。

父は何度も謝罪して、明日出す事を約束すると朝を迎えていたそうです。

その日は急いでお雛様を出して、お詫びをしました。

それ以降、我が家は貧乏暇なしな状態なわけですが、忘れそうになると必ず知らせを受けます。

それで思い出したら、毎年遅れてでも出しています。
本当は早く出すのが普通なんですけどね^^;

実はその知らせというのが、三女のお雛様に付いてきたオルゴール。

次女の御下がりにもオルゴールがケース本体に付いていましたが、何故かあれは誰もネジを回そうとせずそのまま飾るだけでしたが、三女のは新品だったせいもあり、鶯と梅が描かれた扇形の名前入りで贅沢な物があります。

子供の頃ってネジとかお雛様の扇とか烏帽子を失くす子も結構いて、妹のオルゴールも回すところを失くしてしまい、ネジが剥き出しの状態です。でも指だけじゃ回せず、オルゴールが巻けないんです。

なのに毎年この季節や、ある条件になると、巻いていないオルゴールが鳴るんです。

そんな薄気味悪いものはしまっておけばいい……でも、しまう事を忘れたり、何故か出ているんですよ^^;

で、しょうがないのでリビングに置いてあるピアノの上に年中飾りっぱなしです。

オルゴールが「今日は楽しい雛祭り～♪」ってちゃんと鳴るんです。

もうかれこれ20年ネジを巻いていないのに……。
そして今年も。

誰が勝手にネジを巻いているのか気になりますが、誰一人掃除もせず、埃が積もっている三女のオルゴール。

だけど、家の人間が忘れていると知らせてくれるちょっと不思議なオルゴールです。

そんなお雛様。

結婚が遅くなるとか言うけれど、今はどれほどを遅いというのか解らない迷信。

現に、私も次女も結婚できていますし＾＾；

ただ、人形には間違いなく魂が宿っています。粗末に扱わない方が身のためですよ……。